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ワクチン後進国の日本が“変異株リスク”…米外交専門誌が警鐘


「明らかに変異株が猛威を振るっていることを認識しながら、対策をしっかりと打っていきたい」――。東京都の小池知事は14日、新型コロナウイルスの変異株の急増に危機感をあらわにした。変異株を抑えられない限り、日本は世界から、感染を広げる“脅威”と捉えられかねない。

■米外交専門誌が警鐘

外交や国際情勢を専門に扱う米誌フォーリン・アフェアーズ4月号(日本語版)に掲載された、コロナ感染に関する論文「変異株とグローバルな集団免疫――終わらないパンデミック」が興味深い。筆者はミネソタ大学教授兼感染症研究政策センター所長のマイケル・T・オスタホルム氏と、作家のマーク・オルシェイカー氏。ワクチン接種と変異株の関係に関して、次のように指摘している。

〈高所得国はいずれ集団免疫に近づいていく可能性がある(略)。しかし、ワクチン接種が実施されていない国、あるいは不十分な接種しか実施されていない国で発生するかもしれない変異株のリスクに高所得国もさらされる恐れがある〉

つまり、一部の国がワクチンで集団免疫を獲得できたとしても、そうでない国で発生する新たな変異株の脅威にさらされているということだ。

日本のワクチン接種率は人口比1%未満、G7で最低である。ワクチン接種で低空飛行を続ける日本は、世界から見れば、ワクチン接種を済ませた国を変異株のリスクにさらす国なのだ。

■東京の感染者は前週比4・22倍

実際、日本国内では変異株の感染がどんどん広がっている。厚労省が14日に公表した〈都道府県別の変異株(ゲノム解析)確認数〉によると、変異株は13日までの1週間で、新たに岩手、富山、佐賀、熊本の4県で確認され、42都道府県に拡大。変異株のスクリーニング検査による陽性件数が多い上位15都道府県を並べたのが〈表〉だ。

東京と福岡の変異株の陽性件数は6日から13日までに、それぞれ4・22倍(東京)、4・16倍(福岡)に増加。京都と三重も2倍を超える。大阪は1・55倍にとどまるが、陽性件数は770件と、ダントツだ。

これほどまでに変異株が猛威を振るっているのに、聖火リレーは強行されている。国際社会から“白い目”を向けられて当然だ。

原文出處 Nikkan Gendai