長時間労働が原因で自殺したとして昨年末に労災認定された東芝のグループ会社のシステムエンジニア、安部真生(しんは)さん(当時30)は2019年6月以降、介護に関するシステムの構築に従事し、忙しい日々を送っていた。15年に入社し、健康保険のシステムの運用・保守を担当。19年4月に川崎市の本社に異動するまでシステム開発の経験はなかったが、システム構築の中心的な役割を任されていた。
遺族側によると、社員十数人のチームで担当するプロジェクトだったが、システムの基盤構築の業務については、亡くなった19年11月16日の直前まで安部さん中心に任されていた。11月になってようやく、安部さんの業務を数人で分担する措置がとられた。11月に入ってからは午前0時過ぎに帰宅して早朝に出勤する日が続き、同居していた弟も顔を合わせないことが増えた。弟によると、眠れていなさそうだったという。
原文出處 朝日新聞