韓国発の暗号資産(仮想通貨)で時価総額400億ドル(約5兆円)規模の「ルナ」と「テラUSD」が5月初旬、1週間あまりでほぼ価値を失い、仮想通貨市場に衝撃を与えた。価格変動が激しい仮想通貨の中でも、テラは価値が安定するように設計された「ステーブルコイン」の一種とされていたため、他の主要な仮想通貨も一時下落するなど影響が広がった。
テラUSDは米ドルに連動し1テラ=1ドルとなるよう設計された「アルゴリズム型ステーブルコイン」で、韓国人のクォン・ドヒョン氏が考案し韓国産仮想通貨と呼ばれている。テラを発行するには姉妹コインのルナが必要で、市場のテラの供給量を調整する仕組みで2020年の取引開始以降、ほぼ1テラ=1ドルの価格を維持してきた。
ところが、需要の急増でルナは4月に最高値119ドルをつけた後、5月初旬から暴落、数日間で価格がほぼゼロになった。同時期にテラも急落して9日の99セントから13日には10セント前後まで落ち込み、ドルとの連動も崩壊した。発行会社のCEO(最高経営責任者)を務めるクォン氏は14日、ツイッターで「私の発明が皆にもたらした苦痛に胸を痛めている」とコメント。しかし直後に、臆面もなくテラのシステム復活を狙った新たな仮想通貨プロジェクトを始動し投資を集めようとしている。
原文出處 產經新聞