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あるはずのフェンスの切れ目が…希望への越境、何が成否を分けたのか


「ベラルーシは私たち移民を政治的に利用した。財産もほとんど使い果たした。悔しくてしょうがない」

イラク北部のクルド人自治区アルビルに住むタクシー運転手、アラム・マジードさん(34)は11月中旬、オンラインの取材に憤りを語った。

10月下旬から妻(27)と息子(5)の3人で、「ベラルーシルート」での欧州入りを試みたが、国境でポーランド兵に追い返された。失意のうちに帰国したが、多くのものを失った。

まだ帰国から10日ほどしかたっていなかった。画面越しに見えるマジードさんは明らかに憔悴(しょうすい)し、やりきれなさそうな表情を浮かべていた。それでも記者の質問に対し、記憶をたどりながら、ぽつりぽつりと語り始めた。

ベラルーシからポーランドへの越境を試みる中東の移民や難民が急増したのは2021年の夏以降のことです。しかし、目的を果たせぬまま帰国した人たちも多くいました。何が成否を分けたのか。当事者たちの言葉から迫ります。

原文出處 朝日新聞