労災認定を左右する「壁」とされた、月80時間の残業時間の「過労死ライン」。労務実態に即していないとの指摘を受け、厚生労働省が示した新基準に基づき、一度は退けられた労災申請が初めて認められた。
これまで申請自体をためらってきた労働者も少なくなく、「新たな救済につながる」との期待があがる一方、実際にどこまで労働者救済や作業環境の改善につながるかが課題だ。
「料理人のプライドを持って真面目に働いていたことが認められた。途中で諦めそうになったが、希望を捨てずに闘ってきて良かった」。労災が認められた千葉県流山市の男性(62)はそう振り返った。
男性が労災について争ってきた裁判の資料などによると、概要はこうだ。
過労死ラインに届かず、一度は労災申請が認められなかった男性。居酒屋チェーンでどのような働き方をしていたのでしょうか。記事後半では、労災認定の現状や課題に迫ります。
原文出處 朝日新聞