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「夜も2時間で対応を」納入業者へ要求 台湾半導体産業、強さの秘密


スマホや家電、自動車などに欠かせない半導体は、世界の受託生産の約6割を台湾企業が担っている。日本のものづくり産業にとっても半導体の安定した供給ルートは生命線だ。台湾に対する中国の軍事的な脅威が高まる中、日本政府は巨額の資金を投じて世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)を誘致する。世界経済の行方を左右し、米中欧も秋波を送る台湾半導体産業の強さの秘密を探った。

半導体産業、年収は金融やITより上
10月22日、台南市の成功大が設けた半導体研究センターの開所式に台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統の姿があった。蔡氏は「世界の最先端半導体の製造拠点として、台湾の地位がさらに高まることを期待する」と語り、新たな人材育成の取り組みに発破をかけた。

蔡政権は5月、産学連携を推進する法律を制定し、成功大など台湾のトップ4大学の研究センター設立を促した。公的な財政支援のほか、TSMCなど半導体業界も各校に資金を提供する予定で、政権は産学と団結して競争を勝ち抜く考えだ。

4校の一つ、北部・新竹市にある清華大の賀陳弘学長は「ゲームチェンジャーとなる人材を育てたい」と言う。これまでも毎年100人ほどの学生に、在学中からTSMCの施設で共同研究をさせてきた。「今後も企業側の提案を踏まえ、研究内容を話し合って決めていきたい」と話す。

教授を務める林本堅氏(79)はTSMCで回路幅を微細化する研究チームを率いた経験を持つ。同社には物理学や化学の修士号や博士号の取得者が多数いる。「半導体は技術革新が速い。専門分野の知識に加え、創造力や対話力を備えた人材を育てたい」と語る。

原文出處 朝日新聞