台湾メディアなどによると、米上下両院の議員団が現地時間9日夜、米軍機で台北を訪問した。議員団は10日午前に総統府を訪れており、蔡英文総統と会談した可能性がある。中国側は戦闘準備をちらつかせ、強く反発している。米議会では台湾関与の強化を求める声が超党派で高まっており、議員団は台湾の国際社会への参加促進や対中抑止策について蔡政権と意見交換したとみられる。
米議員団は総統府に続いて台湾の国防部(国防省に相当)も訪れた。台湾メディアでは、一行に米軍の現役将校が含まれていると報じられている。米誌ニューズウィーク(電子版)によれば、議員団は米軍輸送機C40Aでマニラから到着した。一行は13人で、共和党上院議員のマイク・リー氏、ジョン・コーニン氏の名前が挙がっている。
台湾の外交部(外務省)は「一連の日程は米国側が手配したものだ」とのみ説明し、会談の詳細などを明らかにしていない。
台湾海峡を管轄する中国人民解放軍東部戦区は9日、米議員団の訪問を念頭に、台湾海峡に向けて「戦闘準備のパトロール」を行ったと発表した。
これに対し、米国防総省のカービー報道官は同日、一行は国防総省の派遣団ではなく、「議員団訪問は全く定期的なもので、今年に入って2回目だ」と説明。米軍機が輸送したことについても「珍しいことではない」とし、一行の訪問は「台湾関係法に基づく米国の義務に沿ったものだ」と強調した。
米連邦議会からは今年6月、上院の超党派議員団が米軍輸送機で訪問先の韓国から台北入り。新型コロナウイルスのワクチン供与を発表し、蔡総統とも会談した。
中国で台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は10日、米議員団の訪台について「『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを発するな。さもなくば、台湾海峡の平和と安定にさらなる損害をもたらす」と述べ、「断固とした反対」を表明した。
原文出處 產經新聞