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見舞いの病室で黙々ドラクエラグビー神戸の優しき34歳が主将復帰


ラグビーのトップリーグを発展的に解消して設けられる新リーグ「リーグワン」が来年1月7日、開幕する。

日本選手権優勝10度の強豪、神戸製鋼はチーム名を「コベルコ神戸スティーラーズ」に改め1部に参戦する。

新リーグ元年、主将に指名されたのはフランカーの橋本大輝(34)。2016年度以来の再任で、創部93年の歴史のなかで、主将を2度務めるのは橋本大が初めてという。

「神戸スティーラーズが強いと神戸の街も盛り上がる。トップリーグに続き、リーグワンでも初代王者をめざします」

4日、神戸市内であった新体制発表会。港町・神戸をイメージしたいかりのマークが施された新ジャージーを身にまとい、橋本大は力強く言った。

昨季は苦いシーズンだった。

神戸製鋼は03年度、トップリーグの初代王者となり、18年度も再びリーグを制した。

トップリーグ最後の王座を狙った昨季、優勝候補と目されながら5位タイに終わった。

戦術やコロナ禍での私生活について、選手間で意見が食い違い、意思疎通が図れないまま試合に臨むことが多かったという。

福本正幸チームディレクターは「選手は迷いながらプレーしていた」と打ち明ける。

リーダーとしての経験が豊富で、人柄が慕われるベテランに再起が託された。

橋本大は福岡県出身。福岡・九州国際大付高、京産大をへて09年に神戸製鋼に加入した。

12年度から5季にわたって主将を務め、トップリーグを制した18年度はゲーム主将を任されることも多かった。

トップスピードで向かってくる相手にも一切ひるまない果敢なタックルが持ち味の一つ。

ロッカールームの清掃は業者に頼んでいるが、橋本大には、ほうきとちりとりを使って、ロッカー周辺に落ちている芝を自分で片付ける習慣があるという。

ディロン・ヘッドコーチ(46)は「経験豊富でチームの歴史も知っている。成長し続ける環境をつくる上で適任だと判断した」と話した。

11年度まで選手として橋本大とともにプレーしたチームの広報担当・近藤洋至(ひろゆき)さん(36)には忘れられない思い出がある。

現役だった約10年前、右ひざの手術を受け約1カ月、入院した。

原文出處 朝日新聞