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「生ビール恋しい」「感染対策続ける」 宣言全面解除に期待と不安


新たな局面を迎え、新型コロナウイルスと向き合う日々はどう変わるのか。緊急事態宣言が全面解除され、一夜明けた1日。今年度の下半期のスタートと重なり、各地で再始動の動きがみられた。日常が戻ることへの期待の声があがる一方で、いつ来るかわからない感染の「次の波」を心配する声も聞かれた。

朝のJR品川駅(東京都港区)。駅舎から職場へと向かう人波が絶えず続いていた。

渋谷区に住む50代の会社員女性は「人出はもうコロナ禍前とあまり変わらないかな」と話した。宣言期間中だった9月も通勤電車の混雑はコロナ禍前の8~9割ほどに戻っていたと感じたという。宣言が解除になっても、出社の頻度や働き方は変わらない。ただ、ワクチンの2回接種を終えたこともあり、今週末には友人2人と半年ぶりに食事をする予定を入れた。「飲食時以外はマスクをつける、騒がないなど気をつけながら、これからは店にお酒があれば飲みたいです」

千葉県市川市の会社員、高坂聖さん(25)は元々お酒は飲まないため、1日夜も直帰する予定だ。「土日には、久しぶりにラーメン屋巡りや山の中でリフレッシュをしたい」。感染対策は変わらず続けるつもりだ。「また感染が広がらないよう自分も含めて気が緩まないようにしないと」

「外出はほとんどしないつもり」と話したのは、川崎市の会社員男性(29)。実家で高齢の両親と暮らす。旅行の予約が増えているという報道を見て、自分が外出するのはもう少し様子見をしてからと考えている。「ワクチン接種は終えたけど、自分がうつす可能性もある。特効薬ができるまでは気をつけ続けたい」

埼玉県浦和合同庁舎(さいたま市浦和区)では県内在住者を対象とした、ワクチンの集団接種が朝から行われていた。

パート女性(38)は小学生の娘は2人いるが、12歳未満のため接種の対象外だ。「学校へ通っているし、家族で気をつけている」。宣言中は外食せず、電車も極力避けるようにした。「これから人流が増える。ワクチンを2回打ったからといって感染しないわけではない。宣言が解除されてもやることは変わらない」。今夜は自宅でゆっくり休むつもりだ。

宣言解除で酒の提供が再開されることを喜ぶのは、建設コンサル業の八重樫佳孝さん(39)。「生ビールが恋しいです」と笑う。感染者が再び増える可能性やブレークスルー感染への心配もある。「ワクチンを2回打ったからといって、何か変わるのかとも思う。マスク着用や消毒を地道に続けていきたい」と話した。

原文出處 朝日新聞