日本大学が発注した付属病院の建て替え工事をめぐり、日大の理事が大学側に数億円の損害を与えた疑いがあるとして、東京地検特捜部は8日、背任容疑の関係先として日大本部(東京都千代田区)などを一斉に家宅捜索した。
学校法人トップの田中英寿理事長の自宅と学内の理事長室も捜索した。関係者への取材でわかった。
他に捜索に入ったのは、関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)など。同社は日大が全額出資して2010年に設立され、関連施設の管理・運営などを行っている。
関係者によると、日大は20年、医学部付属板橋病院(板橋区)の建て替え工事の設計監理を、都内の設計事務所に二十数億円で発注した。この契約に関連し、日大側の数億円の資金が不当に流出した疑いがあるという。