名古屋出入国在留管理局の施設で今年3月に亡くなったスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の収容中の様子を撮影した監視カメラのビデオ映像が12日、来日中の妹2人に開示された。映像は、記録が残る2月22日から死亡した3月6日までの13日分を、出入国在留管理庁が2時間に編集した。
ウィシュマさんが日に日に衰弱する様子に加え、入管の職員が笑いながら介護をする場面などに妹2人は衝撃を受け、1時間10分ほどで中断。続きは後日見るという。
記者会見した遺族らによると、映像では2月26日、ベッドから落ちて動けず、泣きながらインターホンで「助けて」と23回頼んだウィシュマさんに対し、職員は「自力でやりなさい」と答えた様子が記録されていた。その後、職員は近くに来たが、手を引っ張って「お尻や肩を上げなさい」と指示するだけで体を持ち上げようとせず、「寒い」というウィシュマさんに毛布をかけて床に寝かせたまま出ていったという。自力で動けないウィシュマさんを介護する職員が笑いながら「重いですね」と言う場面もあったという。
映像を見た後、報道陣の取材に応じたワヨミさん(28)は「姉は動物のように扱われ、殺されたようなもの。人道的な対応もまったくない。外国人がみな見るべきだ」と憤った。ポールニマさん(27)は「姉の病気が悪化しているのは誰が見ても明らか。職員は姉を人として尊重せず、厄介者扱いしていた。人の心が感じられない」と強調した。
原文出處 朝日新聞