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中国製ワクチンに行列 シンガポール、国は不採用なのに 20210628


米ファイザー製と米モデルナ製のワクチンの接種が進むシンガポールで、国の接種とは別に中国製ワクチンを接種する民間クリニックに行列ができている。

中国製を接種すると中国に渡航しやすいと考える人がいるほか、SNSなどで国のワクチン接種を不安視する情報が拡散されたことが背景にある。政府は「私たちが選んだワクチンは世界で最も効果が高い」と、不信を振り払うのに懸命だ。

6月23日朝、シンガポール中心部のチャイナタウンに近い民間クリニック前に、100人を超える行列ができていた。目的は、中国シノバック製のワクチン接種の予約。クリニックはこの日、27日の100人分の予約枠を設けていた。

列の先頭にいたグループによると、並んだのは前日22日の夜10時ごろ。23日の午前1時にはすでに100人超が並んだ。その後に来た人も多かったが、あきらめて帰ったという。

夜を過ごすためのマットを持参していた中国・西安出身の会社員ドゥー・チーミンさん(35)が来たのも、22日夜10時すぎ。「中国人なので中国製を選ぶ」と言う。中国政府は認めていないが、「中国製のワクチンを接種していると渡航制限が緩む可能性があると思う」と期待する。隔離などの制限が厳しいため、西安の実家には2年余り帰っていないからだ。

原文出處 朝日新聞