新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3度目の緊急事態宣言の要請に踏みきった東京都。1度目の宣言が出た昨春は、休業要請の対象施設を巡って政府と激しい攻防を展開したが、今回は政府との間に目立った対立は見られない。その裏には、感染力の強い変異株の脅威が迫る中、政府や与党幹部に着々と根回しをしてきた小池百合子知事の姿があった。
「具体的にどのような形で(要請)するかは協議中。国と協議したうえで、皆さんにお伝えしたい」
小池知事は22日朝、宣言発出に伴う休業要請の対象施設について問われると、記者団にそう述べるにとどめた。
ただ、この頃、政府との水面下での調整は山場を迎えつつあった。最大の焦点だった飲食店への酒類提供の自粛についても、都と政府の思惑は一致した。都関係者によると、都と政府の本格的な協議は21日から始まったが、現時点で大きな混乱は見られていない。
原文出處 朝日新聞