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時評

矢板 明夫:金門島 中国・アモイ「橋建設構想」波紋 地元は支持 政権は反発


台湾の野党第2党・台湾民衆党の党首を務める台北市の柯文哲市長が、離島・金門島と中国の福建省アモイとを結ぶ「金門アモイ大橋」を建設する構想を発表したことが台湾で波紋を広げている。金門島の有力者が相次いで支持を表明する一方、台湾当局は、「台湾を危険な状態にさらす」と反対している。

柯氏は18日、金門島での民衆党のイベントに参加した際、記者団に「両岸(中台)の緊張を緩和させるためにアモイとの間に大橋を造るべきだ。金門の水、電気、ごみの問題も同時に解決できる」と話した。この発言を受け、最大野党、中国国民党は「蔡英文政権は金門アモイ大橋の建設を真剣に検討すべきだ」と支持を表明し、金門県議会の洪允典議長も「大橋の建設は金門の安定と両岸の平和につながる」と歓迎した。

しかし、中国と距離を置く与党、民主進歩党(民進党)や蔡政権は猛反発した。同党の台北市議会議員の林頴孟氏は「中国軍の台湾侵攻が実施しやすくなるだけだ」と批判した。台湾で中国政策を担当する大陸委員会は21日「アジア太平洋地域と台湾海峡情勢が複雑化する中、台湾の安全を確保するために金門アモイ大橋を建設する計画はない」とのコメントを発表した。

原文出處 產經新聞