中国の税関総署が10日、台湾産の高級海水魚ハタについて一時輸入を停止すると発表したことを受け、台湾当局は「一方的な措置で、国際慣例に反する」と猛反発している。
中国側はハタから複数の禁止薬物の成分が検出されたことを輸入停止の理由にしているが、台湾の農業委員会の陳吉仲主任委員(農林水産相に相当)は11日に記者会見し「われわれの検査ではそういった成分は検出されていない」と主張。中国の禁輸措置に対して世界貿易機関(WTO)への提訴を検討していることを明らかにした。台湾メディアによると、台湾のハタの年産量は約2万トンで、そのうち約6000トンを中国に輸出している。
中国当局は昨年3月以降、台湾産パイナップルなど3種類の果物についても、「害虫を検出した」などとする理由で輸入を禁止している。
パイナップルなどの果物と魚のハタは、高雄や台南など台湾南部を産地にしている。中国と距離を置く台湾の与党、民主進歩党の支持者が多い地域として知られる。中国の一連の措置について、民進党関係者は「今年11月に行われる統一地方選挙を念頭に、民進党に対する嫌がらせを繰り返している」と指摘した。
原文出處 產經新聞