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時評

矢板 明夫:中国から戻った人権家


「応援してくれたすべての人に感謝したい」。国家政権転覆罪で中国湖南省の刑務所に5年間投獄された後、台湾に帰ってきた人権活動家、李明哲氏が今月10日、台湾の立法院(国会に相当)で開いた記者会見で、このように述べた。

李氏は2017年3月、中国の知人を訪ねるためにマカオから広東省に入った直後に拘束された。中国の民主化活動家の家族らと頻繁に連絡を取っていたことが中国当局の逆鱗に触れたらしい。同年11月に懲役5年の判決を受けた。

李氏のように中国で理不尽な理由で拘束された台湾人は少なくとも数十人いる。そのほとんどのケースで、家族は中国当局によるさらなる迫害を恐れて公表せず、泣き寝入りする。

しかし、李氏の妻は台湾で記者会見を開き、世界の人権団体に協力を求め、米国にも渡って連邦議会議員らに支援を求めた。李氏支援の輪は広がり、台湾の学者、歌手、政治家らが毎日、李氏が投獄された刑務所に1通の手紙を送る運動も展開された。

李氏は刑務所では当初、腐った食事を与えられ、重労働をさせられるなどの迫害を受けたが、支援運動が大きくなったことで処遇が改善されたとしている。

中国にはスパイ罪などで投獄された日本人もいる。圧力に屈しない手法は参考になるかもしれない。

原文出處 產經新聞