中国がロシアの暴挙に目をつぶった事実は、世界が長く記憶するだろう。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まった翌25日、プーチン大統領と電話会談した習近平(シーチンピン)国家主席は、「各国の主権と領土の保全を尊重し、国連憲章の趣旨と原則を守る立場は変わらない」と強調した。しかし、ロシアの行動はウクライナの領土保全と主権を侵害しており、国連憲章の理念などに基づく戦後の国際秩序への攻撃であることは明らかだ。
ロシアのウクライナ侵攻に至るまで、中国は事態をこじらせた責任が米国にあると繰り返すだけで、ロシアをいさめようとしなかった。25日の会談で「正義がどちらにあるかを見て中国は立場を決める」とした習氏の言葉にも、ロシアに配慮しつつ、一方でウクライナを見捨てたと非難されぬよう、慎重にポジションどりを図る中国の姿勢がにじむ。
原文出處 朝日新聞