ロシアのウクライナ侵攻は、民主主義と国際秩序の担い手を自任する米国のバイデン政権に大きな課題を突きつけた。
米政府はこの間のロシアの動きを詳細につかんでいたようにみえる。インテリジェンス(機密情報)をもとにロシア側の攻撃の口実づくりの工作から全面侵攻にいたるシナリオを世界に発信し、「危機をあおっているのではないか」との批判を受けながらも、警告を続けた。大規模な経済制裁のメニューを準備した。
北大西洋条約機構(NATO)の加盟国ではないウクライナを防衛する義務は米国にはない。それでも、ロシアを牽制(けんせい)するために前面に出て関与したのは、バイデン政権が打ち出している「民主主義国家対専制主義国家」という世界観が影響している。
原文出處 朝日新聞