ロシアによる欧米側への返答文書は、改めて双方の溝の深さを浮き彫りにした。ウクライナ情勢をめぐる交渉に譲歩の兆しはみえず、欧米はロシアの侵攻が近くあり得るとして警戒を強めている。
17日の返答でロシアが強調したのが、欧米への提案の「一体性」だ。
その2日前、プーチン大統領は、欧米側の回答に盛り込まれた欧州の安全保障や中距離ミサイルなどの問題で対話する用意があると表明し、態度が軟化したように見えた。
だが、今回の文書では、ロシアが重要な提案とみなす北大西洋条約機構(NATO)の拡大停止などと一体の議論を要求し、個別の協議には応じない姿勢を明確にした。
要求が受け入れられなければ、軍事的圧力を強める考えも示した。
また、2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島の帰属問題は「決着した」と議論を拒み、ウクライナのNATO加盟はロシアと欧米との武力衝突につながる恐れがあると警告した。
原文出處 朝日新聞