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ウクライナ危機の深層、米欧とロシア長年の反目 最悪のシナリオは


ロシア軍との緊張が続くウクライナ情勢は、欧米とロシアの度重なる外交交渉にもかかわらず、侵攻への懸念が一段と高まっている。何が起きているのか。8年前のウクライナ危機を経ながら、なぜ、この事態を防げなかったのか。

「想像してほしい。ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に入って軍事行動を始める。我々はNATOと戦うのか?」

「米国の目的はロシアの封じ込めで、ウクライナはその手段なのだ」

今月1日、ロシアのプーチン大統領はクレムリン(大統領府)での記者会見で声を張り上げた。ウクライナ情勢をめぐって公の場で発言するのは今年初めてだった。

情勢は緊迫の度を増す。

ロシアは1月半ば以降、自国領内のウクライナ国境に集めていた10万人規模の軍に加え、同国と約1100キロの国境で接するベラルーシに演習名目で約3万人の部隊を送ったとされる。3日にはベラルーシ軍と合同訓練を実施した。ロシア軍は実効支配する南部クリミア半島を含め、南部から東、北の国境までウクライナの外周のほぼ半分を包囲したかっこうだ。

ロシア軍の集結は昨春、初めて明らかになった。6月のバイデン米大統領とプーチン大統領の首脳会談を前にいったん撤退が発表されたが、10月末に再び集結が報じられた。

原文出處 朝日新聞