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「猫と警備員」知られざる2匹の物語 病気の子猫カン、急死のトーカ


桜の名所として知られている千光寺公園(広島県尾道市)。

公園内にある尾道市立美術館は「猫」で有名だ。

最初に注目を集めたのが2017年3月。

隣接するレストランで飼われている黒猫のケンちゃんが、開催中だった「猫まみれ展」への侵入を試みた。

特別展の時だけ来館する警備員・馬屋原定雄さんがこれを阻止。

約1年半後、今度は地域猫だった茶トラのゴッちゃんが館内に入ろうとして、これまた馬屋原さんが止めた。

その後も攻防は定期的に続き、その様子を美術館職員が撮影してツイッターで紹介。

「ケン&ゴー」は人気者になり、オリジナルグッズも作られるようになった。

そんな2匹以外に、美術館職員だけが存在を知る猫がいる。

病気だった子猫「カン」と、今年5月に急死した「トーカ」だ。

堂々と侵入してきたカン
カンが初めて姿を見せたのは2019年6月19日。

まだ生後1カ月ほどの子猫だった。

この日は、正面玄関を守る馬屋原さんが不在。

来館者に反応して自動ドアが開いたタイミングで、堂々と侵入してきた。

二つのドアをすり抜けて、受付も通過したところで職員が捕獲。

抱きかかえてみると、左目が腫れていて目やにだらけだった。

ウイルス性の病気にかかっていた。

近くに親がいる気配もなく、このまま放っておいたら生き延びるのは難しいだろう。

3千円ほど払えば隣の市にあるペットショップが引き取ってくれると聞き、電話をした。

原文出處 朝日新聞