国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭からの脱却に向けた取り組みが加速している。議長国の英国は4日、40カ国以上が石炭火力発電を段階的に廃止することを目指す声明に賛同したと発表した。ただ、日本や米国、中国、豪州、インドなどは声明に加わっておらず、脱石炭をめぐっては溝も明らかになっている。
声明は、石炭火力が気温上昇の「唯一最大の原因」であり、クリーンエネルギーへの移行を早急に進めるべきだと指摘。先進諸国は2030年代まで、世界全体では40年代までに石炭火力を廃止する方針を盛り込んでいる。
これまでに石炭火力からの撤退を宣言していた英国やフランスなどに加え、石炭火力の建設計画が進むベトナムや石炭産出国のポーランドなど23カ国も声明に加わった。英政府によれば、金融機関や企業なども含めて190の国・機関が賛同しているという。
COP26の議長を務めるシャルマ氏は「石炭の終わりが目前に迫っていると信じている」と強調した。
発電コストの安い石炭火力を主要電源とする中国やインド、石炭産業を擁する豪州、日本などは声明に加わらなかった。日本は、30年度に総発電量の19%を石炭火力でまかなうとしたエネルギー基本計画を10月に閣議決定した。中国の石炭使用量は世界全体のおよそ半分とされる。
原文出處 產經新聞