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宇野昌磨、柔らかな着氷へ進化の理由 「十何年間…やっと気づいた」


4回転ジャンプ5本に挑む意向を、宇野昌磨が示したのは2カ月前だった。

「僕がスケートをやっている中で一番難しい構成」

これ以上は無理とも思っていたが、2位だったグランプリ(GP)シリーズのスケートアメリカを経て、考えは変わったという。

フリーから一夜明けた24日、取材に応じた宇野は言った。

「自分の考えをいい意味で裏切られた」

何があったのか。

今大会のフリーは冒頭の4回転ループで手をつき、続く4回転サルコーは回転が足りず、3回転の判定となった。一方、2本跳んだ4回転―2回転の連続トーループは成功。後半の4回転フリップはこらえた。

「自分の求めるレベルまでは到達していない」と言いつつも、「今まで以上のコンディションで挑めている実感もあった」。

GPシリーズは昨季はコロナの影響で出場がなく、2019~20年シーズンは表彰台に上がれなかった。今大会の内容と結果は初戦としては上出来と言えるが、それだけでは満足しないのが平昌五輪銀メダリストだ。

刺激になったのは、今大会で3位に終わった、世界選手権3連覇のネーサン・チェンの演技だった。

フリーは失敗があったものの、4回転を5種6本投入する異次元の構成で臨んだのだ。

「正直、僕のプログラムより上の構成をやる人はいないと思っていた。僕はルッツが少し厳しい部分があるが、それをどうしていくか、今後また、シーズン中でも考えていきたいと思う」

苦手なルッツへの再挑戦を含むさらなる高難度の構成に挑む可能性まで示唆した。

その意欲は今季控える北京オリンピック(五輪)とは関係ないという。

「たぶん五輪がなくても、特別なシーズンという認識だった。今年の自分の出来、状態、そして数年間の成績が落ちていることも考えると、どうにかやりたいという気持ちが強い」

まずは今の5本の4回転を完成させる。その先には、また上の目標が待っている。

GPシリーズ初戦で得たのは活力。23歳の挑戦的なシーズンは始まったばかりだ。

原文出處 朝日新聞