英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中心とする打撃群所属のフリゲート艦「リッチモンド」が27日、台湾海峡を通過し、ベトナムに向かった。英海軍がツイッターで発表。英メディアによると、英海軍は2019年に測量艦を台湾海峡を通過させたが、戦闘艦の通過が明らかになるのは初めて。
クイーン・エリザベスは7月からインド太平洋海域に入り、最近まで朝鮮半島付近で展開。リッチモンドは数日前に編隊を離れた。台湾海峡付近で軍事的緊張が高まっていることを受け、中国軍の動きを牽制(けんせい)する狙いとみられる。
台湾の邱国正国防部長(国防相に相当)は台湾メディアの取材に「わが軍は台湾海峡を通過する船舶をすべて把握しているが、干渉はしない」とコメント。今年になり米海軍は駆逐艦などを約10回、通過させ、米空母「カール・ビンソン」「ロナルド・レーガン」が現在、南シナ海付近で展開しているとされる。
また、中国軍の輸送機1機は27日、南西方面から台湾の防空識別圏に入った。台湾当局によると今年、すでに延べ500機以上の中国軍機が台湾の防空識別圏に入っており、昨年の計380機を上回っている。
中国人民解放軍で台湾海峡を管轄する東部戦区の施毅(し・き)報道官は27日の談話でリッチモンドの通過を「台湾海峡の平和と安定を破壊する」と非難。「部隊は絶えず高度な警戒を保ち、あらゆる威嚇や挑発に断固として対抗する」と強調した。
原文出處 產經新聞