21日の日経平均株価は大幅下落で始まり、下げ幅は一時600円を超えて3万円を割り込んだ。中国の不動産大手・中国恒大集団の債務危機への不安が高まり、前日の欧州や米国などの株式市場も下落し、世界で株安が広がった。
20日の米ニューヨーク株式市場は、主要企業でつくるダウ工業株平均の終値が前週末より614・41ドル安い3万3970・47ドル。一時は971ドル下げた。終値が3万4千ドル台を割り込むのは約2カ月ぶり。この流れを受け、21日の日経平均も先週末の終値より478円80銭安い3万21円25銭で始まった。その後、3万円前後で推移したが、午前の終値は先週終値から601円48銭安い2万9898円57銭。取引時間中に3万円を割り込んだのは9月9日以来となる。
恒大集団は積極投資を進めてきたが、当局の規制強化を受けて借入金返済が難しくなり、経営危機に陥っている。中国の金融・不動産市場だけでなく、世界経済にも影響するとの不安から投資家がリスクを避ける動きを強めている。
新型コロナの感染拡大の一服や菅義偉首相の総裁選への立候補見送りなどがあり、日経平均は9月に入って2千円超も急騰した。14日に終値が3万670円と31年ぶりの高値を記録した一方で、急速な高値に対して警戒感もあった。
野村証券の澤田麻希氏は今後について「日本企業の好調な業績やコロナ感染の縮小傾向、新政権への期待などに下支えされる」として、下落の一途にはならないとみる。
原文出處 朝日新聞