菅義偉(すが・よしひで)首相が次期自民党総裁選に出馬しないというニュースは、台湾の外交関係者にとって大きな衝撃となったようだ。
菅首相は、史上最も台湾に友好的といわれた安倍晋三前首相の外交政策をほぼ継承し、日米首脳会談で「台湾海峡の平和と安定」に言及した。
新型コロナウイルスワクチン不足に陥った台湾に4回にわたり計300万回分以上を無償提供し、日台関係を大きく前進させた功績もある。
次期首相がこの路線を変えることを懸念し、台湾の関係者らは今、総裁選有力候補の台湾に対する態度を必死に調べている。
「岸田文雄前自民党政調会長は最近、台湾を支持する発言をしている。安心していい」「高市早苗前総務相は安倍氏の支援を受けているから、親台派に違いない」といった分析をしている。
特に気がかりなのは、河野太郎ワクチン担当相の対台湾政策。親中派として知られる父の洋平氏が外相だった2001年、病気治療のため訪日を希望した李登輝元総統のビザ発給に猛反対したことは多くの人の記憶に新しいからだ。
台湾の与党、民主進歩党関係者は「次期首相の外交政策次第で台湾を取り巻く国際環境は大きく変化する」「河野氏が父の政策を継承していないことを祈るしかない」と話していた。
原文出處 產經新聞