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自民総裁選日程めぐる駆け引き くすぶる衆院選前交代論


自民党は3日、菅義偉首相の9月末の総裁任期満了に伴う総裁選に向け、選挙管理委員会の初会合を開いた。10月には衆院議員の任期満了も迫っており、衆院の解散戦略をにらんでの日程調整となる。党内には衆院選前の執行部刷新を求める声も根強く、駆け引きが活発化しそうだ。

この日の会合では、委員長に野田毅・元自治相を選任。昨夏の安倍晋三前首相の突然の辞任表明により、全国の党員・党友投票を省く「簡易型」だった前回とは違い、党員らも参加する通常の総裁選を行うことを確認した。

選管は今月26日予定の次回会合で告示日などの日程を固めたい考えで、9月上中旬告示、同下旬投開票という日程が想定されている。ただ、告示前に首相が解散に踏み切った場合は、総裁選自体が「凍結」されるため、解散時期の政治判断が最大の焦点となる。

菅首相はこれまで、「総裁として出馬するというのは、時期がくれば当然のことだ」と再選に意欲を示しているほか、自らの総裁任期満了前に衆院を解散する考えを表明している。首相周辺では、衆院選で勝利した上での総裁選の無投票再選のシナリオが語られており、この場合は、総裁選告示前の9月上旬にも衆院を解散することになる。

しかし、9月上旬までに新型コロナの感染が収まっている保証はなく、政府は10~11月までに希望者全員のワクチン接種を終える目標を掲げてもいる。コロナ対応をめぐっては政権の失態が続いており、世論の受け止め次第では解散権を思惑通りに行使できない可能性がある。

このため党執行部では、首相の解散戦略に幅をもたせるため、総裁任期そのものを延長することも検討。甘利明税調会長は先月放送のBS番組で、総裁任期を延長し、総裁選を衆院選後に先送りする選択肢に言及した。

原文出處 朝日新聞