最高裁は23日、夫婦同姓を合憲とする決定を下した。一方で「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と指摘した。政治の責任が問われているが、国会での議論は停滞したままだ。
国会で夫婦別姓をめぐる議論が遅々として進まない背景には、政権を担う自民党の別姓制度に対する慎重姿勢がある。
最高裁決定に対し、自民党で制度導入に慎重な議員連盟の中曽根弘文会長は「合理的な判断」とのコメントを発表。議連に参加する西田昌司参院議員は「党内の議論も旧姓の通称使用拡大の方向に収斂(しゅうれん)されていけばいい」と話した。
制度導入に賛成する議連の浜田靖一会長は「選択的夫婦別氏制度創設を求める声は一貫して高まってきており、制度実現という結論を早く出す必要があると考えている」とのコメントを出した。
自民党にはもともと性的役割分業の明確化などを求める伝統的家族観を重んじる議員が多い。7年8カ月にわたり政権を率いた安倍晋三前首相はその代表的存在で、この間、党内論議も事実上封じられた。
原文出處 朝日新聞