新型コロナウイルス感染症と診断されて半年たっても、息苦しさや筋力低下、脱毛などの症状が続くケースがあることが厚生労働省研究班の調査でわかった。重症者では退院から3カ月後も半数の人で肺の機能が低下したままだった。
16日にあった厚労省の専門家組織の会合で、結果の概要が示された。
重症者の半数、肺の機能が8割に
日本呼吸器学会理事長の横山彰仁(あきひと)・高知大教授が代表の研究班は、血液中の酸素濃度が下がった中等症以上の患者の肺に残る影響を調べ、中間集計を報告した。
昨年9月以降に各地の病院で入院した患者計512人(平均62歳)に、退院から3カ月後、肺活量や1秒間にどれだけ息を吐けるかといった肺機能の検査を受けてもらった。
症状が重くなるほど、肺の機能が回復していない傾向がみられ、肺から血中に酸素を取り込む「肺拡散能」でみると、健康な人の検査値の80%に届かない人が、人工呼吸器を使うほど重症だった人では52%に上った。酸素投与が要る中等症だった人では27%だった。肺活量も、重症者の26%が、健康な人の値の80%に届かなかった。
自覚症状を調べると、重症だった人では77%が筋力低下を感じ、50%が息苦しさ、34%がせきが続いていると感じていた。
原文出處 朝日新聞