政府は新型コロナ対応の緊急事態宣言を解除し、東京や大阪で「まん延防止等重点措置」に切り替える方針だ。酒類の提供規制は当面続け、東京五輪に向けて感染が再拡大しないか見極める。
イベント制限はいまの「最大5千人」を当面続ける案が有力で、有観客の五輪につなげたい考え。新たなコロナ対策は、菅政権の「五輪シフト」が鮮明になりそうだ。
15日昼、首相官邸であった政府与党連絡会議。菅義偉首相は先の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に触れ、東京五輪・パラリンピックへの意欲を改めて強調した。
「全ての首脳から強い支持をいただいた。安全安心な大会を開催する決意を新たにした」。一方、出席者からは「東京では人出が増えており、リバウンド(感染再拡大)に最大限の警戒が必要だ」との注文も付いた。
会議の直前まで、首相は関係閣僚と、20日が期限となる緊急事態宣言の扱いについて協議していた。政府は10都道府県の宣言解除を17日に専門家に諮問する方向で、解除後のコロナ対応をめぐり詰めの調整を行った。
コロナ対策に関わる幹部官僚は「今回の対応は五輪を見据えてやっている」と言い切る。東京大会で安心・安全を確保することは、いまや首相にとって「国際公約」に等しい。
宣言を解除しても、7月23日に開会する五輪に向けて感染状況を悪化させることは許されない。政府関係者は「五輪のためにも、首都圏1都3県の感染をしっかり抑えることが重要だ」と話す。
原文出處 朝日新聞