ファーストリテイリングが展開する衣料品チェーン大手「ユニクロ」の綿製シャツが、中国・新疆ウイグル自治区の強制労働をめぐる米政府の輸入禁止措置に違反したとして、米税関・国境警備局(CBP)が今年1月、ロサンゼルス港で輸入を差し止めていたことが19日、明らかになった。
CBPの10日付の文書やロイター通信によると、ユニクロが米国に輸入しようとした綿シャツの原料に、中国共産党の傘下組織で、綿花の主要生産団体である「新疆生産建設兵団(XPCC)」が関わった綿が使われている疑いがあるという。米政府はXPCCが生産に関わる綿製品の輸入を禁止している。
CBPの同文書によると、CBPの輸入差し止めに対し、ユニクロは4月19日までに、製品にはXPCCが関わる綿は使用していないとして反論の手続きをしたが、CBPは「証拠が十分に示されていない」として訴えを退けたとしている。
ファーストリテイリングは19日、CBPの決定は「非常に遺憾」とした上で「サプライチェーンにおいては、強制労働などの深刻な人権侵害がないことを確認しています。綿素材についても、生産過程で強制労働などの問題がないことが確認されたコットンのみを使用しています」とするコメントを出した。
一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は同日の定例会見で、「新疆ウイグル自治区でいわゆる強制労働はなく、自主的に職業を選択している。米側のやり方はいじめそのものであり、関連企業は米国の無礼な行為に反対すべきだ」と米国を批判した。
原文出處 朝日新聞