中国のロケットが近く大気圏に再突入し、残骸が地表に落下するおそれが指摘されている問題で、アメリカ軍はロケットがこのあと日本時間の午前11時ごろに地中海上空の大気圏に再突入すると予測しています。
アメリカ軍は中国が4月29日独自の宇宙ステーション建設のために打ち上げた大型ロケット「長征5号B」が近く大気圏に再突入し、残骸の一部が燃え尽きずに地表に落下するおそれがあるとして分析を進めています。
アメリカ軍が情報を提供しているウェブサイトは8日、最新の情報を更新し、ロケットがこのあと日本時間の午前11時すぎに大気圏に再突入すると予測しています。
ただ、この予測時刻には前後1時間の幅があるとしています。
また、再突入の場所については、ギリシャ沖合の地中海上空と予測する一方で「再突入の時刻が1分異なれば落下場所は470キロ変わる。正確な場所は落下後でないとわからない」ともしていて、監視を続けています。
このロケットについて中国外務省は「ほとんどの部品は大気圏に再突入する過程で燃え尽きてなくなる。危険が生じる確率は極めて低い」と主張しています。
日本上空で撮影 明るい光が動く様子を確認
中国のロケットが近く大気圏に再突入し、残骸が地表に落下するおそれが指摘されている問題で、静岡県富士市に設置されたカメラで9日午前3時50分すぎに撮影された映像では、ロケットと見られる明るい光が動いている様子が確認できます。
映像を撮影した神奈川県の平塚市博物館の学芸員、藤井大地さんによりますと、ロケットと見られる光は、北西から南東に向けて移動し、雲に入って見えなくなったということです。
藤井さんは「国際宇宙ステーションよりも明るく、早いスピードで移動していった。ここ数日、同じ光が撮影されているので、中国のロケット、『長征5号B』であることは間違いない。今、予測されている軌道で動いているとみられる」と話しています。
原文出處 NHK