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米アカデミー賞、今年も「韓国」旋風か 注目の作品は


第93回米アカデミー賞の授賞式が25日夕(日本時間26日午前)に開かれる。米南部に移住した韓国人一家を描いた「ミナリ」が作品賞など6部門でノミネートされており、昨年の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」に続く旋風を起こすかどうか、注目されている。作品賞は、「ノマドランド」の受賞を予想する見方も多い。

「ミナリ」は、「レディ・バード」など作家性の強い作品で知られる「A24」と、俳優ブラッド・ピット氏が率いる「プランB」の著名な米制作会社2社がタッグを組んだ米国映画。1980年代に米アーカンソー州に移住した韓国人家族の物語だ。

監督は韓国系米国人のリー・アイザック・チョン氏で、韓国系米国人や韓国人の俳優が主要キャストを占め、映画の大半で韓国語が使われる「韓国系」映画。米南部という慣れない土地で、苦労しながら農地を切りひらく韓国人一家の人間模様を静かに描く作品だ。家族の間の心の葛藤、という世界のだれにでも共通するテーマを丁寧に描写し、その普遍性が高い評価を受けている。

主役のスティーブン・ユアン氏は、アジア系米国人として初めて主演男優賞にノミネートされた。助演女優賞には、韓国のベテラン俳優、ユン・ヨジョン氏が韓国人俳優として初めてノミネートされたほか、チョン監督も監督賞候補の一人になっている。

昨年のアカデミー賞では「パラサイト」が、英語以外の外国語映画では初めて作品賞を獲得し、計4冠に輝く旋風を起こした。「ミナリ」がそれに続けるかどうかが注目だ。

ただ、米主要紙などの事前予測では、最高の栄誉とされる作品賞は、米国内を遊牧民(ノマド)のようにさまよいながら暮らす女性を描く「ノマドランド」が獲得するとの見方が多い。一方、助演女優賞はユン・ヨジョン氏が最有力とみられている。受賞すればアジア人女優としては、1958年に日本出身のナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)氏が米映画「サヨナラ」で助演女優賞を獲得して以来になる。

今年のアカデミー賞では監督賞に女性監督が選ばれるかも話題だ。「ノマドランド」で中国出身のクロエ・ジャオ氏、「プロミシング・ヤング・ウーマン」のエメラルド・フェネル氏と2人の女性がノミネートされている。2010年のキャスリン・ビグロー氏以来となる女性による受賞となるかが注目されている。

主演男優賞は、「マ・レイニーのブラックボトム」に主演したチャドウィック・ボーズマン氏の受賞を予想する見方が多い。昨年、43歳の若さで惜しまれながら亡くなったボーズマン氏のこの作品での迫力ある演技が高く評価されている。

原文出處 朝日新聞