国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け日本政府が東京都内などに再び緊急事態宣言を発出する方向であることについて、「ゴールデンウィークを控え、感染の拡大を防ぐために日本政府が講じる予防的措置と理解している」と述べた。その上で「五輪には関係ない」とし、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催への影響はないとの認識を示した。
開催への自信の根拠を聞かれたバッハ会長は、「科学や事実に基づいたアプローチをとっている」。今月中には、選手らの大会中の行動規範を定めたルール(プレーブック)の第2版の発行を予定している。検査の頻度や選手の移動方法などの詳細が盛り込まれる見通しだ。
バッハ会長は、新型コロナの感染拡大後も世界各地でおよそ340の国際大会が安全に開かれてきたと強調。松山英樹が日本選手初優勝を飾った男子ゴルフのマスターズを例に挙げ「マスターズは国際大会を全く問題なく開き、日本には素晴らしい勝利となった。同じことを五輪期間中に日本で実現できないことはないだろう」と語った。
その一方で、今月15日にはボクシングのアメリカ大陸予選が中止になるなど、代表選考への影響は広がっている。大会を開けず独自のランキングによる選考に切り替わり、出場権獲得の機会を失う選手も出てきている。バッハ会長は「選手たちには理解とリスペクトをお願いすることしかできない」と話した。
原文出處 朝日新聞