分類
NEWS

被害者ケアと言いながら…フジ 守ったのは中居正広氏 さらに信頼失墜


元タレント中居正広氏(52)の女性トラブル騒動を巡って存続の危機にあるフジテレビは27日、東京・台場の同局で2度目の会見を開いた。同局の港浩一社長(72)と嘉納修治会長(74)が同日付で引責辞任すると発表。新社長にはフジ・メディア・ホールディングス(HD)専務の清水賢治氏(64)が就任した。会見では、同局が被害女性のケアを言い訳に中居氏の番組を継続させていたとも受け取れる弁明が繰り返された。

会見は午後4時にスタート。出席した5人はいずれも硬い表情。港氏はトラブルについて会社としての対応が不十分だったとし「私自身が人権への認識が不足していた」と謝罪。さらに、当事者の女性に対して「深い失望を抱かせた。申し訳ありません」と初めて公の場でおわびの言葉を述べ頭を下げた。

17日に出席者を限定し開催したことなどで批判を浴び、やり直しとなった会見。港氏、嘉納氏のほか、清水氏、遠藤龍之介副会長(68)、フジ・メディアHDの金光修社長(70)が出席した。中居氏の女性トラブルを把握した23年6月から約1年半もの間、事案を隠蔽(いんぺい)していたのではないかという疑惑を払拭する場となるはずだったが、そうはならなかった。

トラブル発生後の同7月には中居氏本人から報告があったにもかかわらず、フジはヒアリングを実施しなかった。正式な調査に乗り出さず、番組起用を続けた。「まつもtoなかい(現・だれかtoなかい)」は3回の改編期があったが、打ち切らなかった。同8月に事案を知ったという港氏は、その理由について「誰にも知られずに仕事に復帰したいという女性の意思を最大限尊重」「体調の回復とプライバシーの保護を最優先」という趣旨の言葉を何度も並べた。

ただ、問題視されたのが「(番組を)やめるという刺激がどういう影響を与えるのか、判断が難しいタイミングが正直ありました」との説明。この「刺激」とは何か聞かれると「女性に自分が原因で番組が終わると思わせてしまうこと」。一方で、女性の意思確認はしていないとした。女性の意思尊重や心身のケアを強調していたのと裏腹に、その思いを直接聞くことをしていなかったことが明らかとなった。

また中居氏にヒアリングしなかった理由については「ヒアリングしたことが(女性に)伝わってしまった時に刺激になるんじゃないかとの心配があった」と述べた。一方、コンプライアンスに関する担当役員を務めた経験がある遠藤氏は、会見中に性的トラブルへの対処として「双方に対するヒアリングが必要」と述べた。今回のフジの対応はこの発言と大きく矛盾する。

記者から「中居氏が出演し続けたことこそ刺激では」と指摘された港氏。中居氏の出演が被害女性の精神的負担になっていたのは明白で「我々が続けていた対応は本当に正しかったのか、反省すべき点はあった」と表情を曇らせた。「ご本人に直接おわびしたい」とも口にした。

怒号も飛び交い7時間以上続いた会見。疑惑を晴らすどころか、視聴者やスポンサーの信頼をより落とすことになりそうだ。

原文出處 sponichi